失業は誰にでも起こりえます。収入が止まり、貯蓄を取り崩す生活に不安を感じるのは当然です。失業保険は、再就職までの生活を支える制度です。しかし、手続きの複雑さに戸惑ったり、自分が受給できるのか不安に思ったりする人は多くいます。この記事では、失業保険のもらい方や受給条件、受給期間などを解説します。
記事を読めば、失業保険のもらい方が理解でき、安心して求職活動に臨むことが可能です。失業保険をもらうには、ハローワークで手続きをし、失業認定日に求職活動を報告し、失業状態が認められる必要があります。失業保険の申請から受給までの流れを理解し、安心して次の仕事を探しましょう。
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失業保険のもらい方

失業保険を受給する手順は以下のとおりです。各手順について詳しく解説します。
- 必要書類を準備する
- ハローワークで手続きをする
- 失業保険説明会へ参加する
- 失業認定日に必要書類を提出する
- 失業保険を受け取る
必要書類を準備する
ハローワークでスムーズに手続きを行うため、事前に書類をそろえましょう。必要な書類は以下のとおりです。
- 離職票
- 本人確認書類
- 写真2枚
- 印鑑
- 預金通帳またはキャッシュカード
- マイナンバー確認書類
- 雇用保険被保険者証
- 退職理由証明書類
離職票は離職を証明する公的文書です。通常、退職してから10〜14日ほどで職場から郵送されます。離職票が届くまで失業保険の手続きはできません。書類に不足があると手続きに時間がかかったり、ハローワークを再訪する必要が出てきたりする可能性があります。
ハローワークで手続きをする

必要書類を持って、住所を管轄するハローワークへ行きます。受付で求職申込書と雇用保険受給資格者証の交付を申し出ましょう。求職申込書に必要事項を記入し、窓口で書類を提出して本人確認を受けます。担当職員から、雇用保険説明会や失業認定日の説明があるため、参加するために予定を調整しましょう。
失業認定日に行かないと失業保険を受け取れません。交付される雇用保険受給資格者証は大切な書類のため、なくさないよう注意しましょう。ハローワークで行われる求職活動支援セミナーや職業相談についても案内があります。再就職のために活用しましょう。
失業保険説明会へ参加する
失業保険説明会は、制度の理解と適切な受給手続き・就職活動を支援するためのものです。失業保険制度の概要や受給手続きについて詳しい説明があり、参加が義務付けられています。参加しないと失業保険を受け取れない可能性があるので、必ず参加しましょう。
日程はハローワークが指定し、所要時間は1~2時間程度です。質疑応答の時間もあるため、不明点は直接質問できます。説明会終了後、失業認定申告書などの必要書類が配布されます。参加した証明として発行される受講証明書は今後の手続きで必要になるため、大切に保管してください。
説明会の内容を十分に理解できなかった場合は、個別相談もできます。失業保険制度は複雑なため、わからないことは遠慮せずに相談しましょう。
失業認定日に必要書類を提出する

失業保険を受給するためには、原則指定された失業認定日にハローワークへ行き、認定を受けなければなりません。もし当日に行けない事情があれば、ハローワークへ必ず相談をしましょう。失業認定日に提出する書類は、以下のとおりです。
- 失業認定申告書
- 求職活動実績の証明書類
- 本人確認書類
- 失業保険受給資格者証
- 雇用保険受給資格者のしおり
- 銀行通帳
前回の失業認定日以降の収入状況や就職活動状況について、正しく報告しなければなりません。内容に虚偽や報告漏れがあった場合は不正受給とみなされ、返還や罰金が課される可能性があります。報告内容をもとに、失業認定日ごとに支給額が計算されます。失業認定日の前日までに、必要な書類がそろっているか確認しましょう。
状況によっては、雇用保険受給資格通知書や診断書などの追加書類が求められる場合もあります。
失業保険を受け取る
失業保険の基本手当は、指定された金融機関の口座に振り込まれます。4週間に1回の頻度で支給されるため、計画的に資金管理をしましょう。支給日は失業認定日の翌日から5営業日以内です。ただし、初回の支給は手続き完了から1か月後以降になるため、支給がない期間の生活費の準備が必要です。
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失業保険の受給条件

失業保険の制度では、失業理由に応じて離職者を3つの区分に分類します。分類ごとに受給条件に違いがあるため、以下の分類に沿って解説します。
- 一般の離職者
- 特定受給資格者
- 特定理由離職者
一般の離職者の条件
一般の離職者とは、キャリアアップや職場環境など、個人的な理由で退職をした人です。失業保険の受給に必要な条件は以下のとおりです。
- 離職日以前の2年間に被保険者期間が通算12か月以上ある
- 就労の意思と能力があり積極的に求職活動を行っているが、失業状態にある
病気やけが、妊娠、出産などですぐに就職できない場合は「就職する意思と能力がある」とはみなされず、受給の対象外になります。ただし、やむを得ない理由で働けない状態が30日以上続く場合、退職日の翌日から4年以内まで受給期間の延長ができます。ハローワークで手続きをしましょう。
学生(夜間学生は除く)や会社の経営者も「失業状態」とみなされないため対象外です。週20時間未満の就労は失業状態とみなされるため、週20時間未満の範囲は働きながらの受給が可能です。一般の離職者には失業保険の受給申請から3か月の給付制限があるため、手当を受け取れるのは申請から約3か月半後になります。
ただし、個々の状況によって受給条件や給付額に影響が出る場合があります。詳細についてはハローワークに相談しましょう。
特定受給資格者の条件

特定受給資格者とは、会社の責任で退職となった方を指します。一般の離職者よりも有利な条件で失業保険を受け取れます。特定受給資格者に該当する離職理由は「倒産や解雇などによる離職」です。詳細な判断基準は、厚生労働省の発表を参考にしてください。
» 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(外部サイト)
一般の離職者と比べて給付日数が長く、給付制限がかかりません。申請から短い期間で手当を受け取れるのは、大きなメリットです。受給に必要な条件が「離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6か月以上あること」と、一般の離職者より緩和されています。
特定受給資格者に該当するかの判断は、離職票と離職者の主張にもとづきハローワークが判断します。事業主または離職者の主張のみでは決定されません。個々の状況によって判断が分かれるため、住所を管轄するハローワークに相談することをおすすめします。
特定理由離職者の条件
特定理由離職者の条件は、自己都合による退職であっても、やむを得ない事情で退職したと認められる人を指します。一般の離職者よりも、給付条件が有利です。特定理由離職者に該当する離職理由は「雇止め」と「正当な理由での自己都合退職」です。詳細な判断基準は、厚生労働省の発表を参考にしてください。
» 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(外部サイト)
特定理由離職者と認定されると給付制限がかからないため、失業保険の受給開始が早くなります。受給に必要な条件は「離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6か月以上あること」です。特定理由離職者に該当するかの判断は、離職票と離職者の主張にもとづきハローワークが判断します。
個々の状況によって判断が分かれるため、迷う場合は住所を管轄するハローワークに相談しましょう。
失業保険の金額と受給期間

失業保険の金額に影響を与える要素は、受給期間や離職前の賃金、年齢、被保険者期間などです。以下の項目に分けて解説します。
- 基本手当の計算方法
- 支給される期間と条件
基本手当の計算方法
失業保険で受給できる基本手当の金額は、離職前の賃金にもとづいて計算されます。離職前6か月の賃金総額を180日で割ったものが、賃金日額です。賃金日額が低ければ50~80%、高い場合は50%程度が、基本手当日額になります。ただし、60~64歳の方の給付率は45~80%と異なる点に注意しましょう。
基本手当日額には上限額があり、年齢に応じて異なります。基本手当額の大まかな金額のシミュレーションができるサイトもあります。しかし、個々の状況により変動があるため、詳細を知りたい場合はハローワークへ相談しましょう。
» 雇用保険の給付額(失業給付金)の計算(外部サイト)
支給される期間と条件
失業保険が支給される期間は、年齢や被保険者期間、離職者の区分によって決定されます。一般の離職者の場合は90〜150日の期間で、被保険者期間が長いほど受給期間も長くなるのが特徴です。特定受給資格者や特定理由離職者は90〜360日と、一般の離職者と比べて受給期間が長い場合があります。
長期間の被保険者や高年齢層であるほど、受給期間は長くなります。障がいや難病を抱え、就職困難者と認定された場合の受給期間は、最長で360日です。失業保険を受給できる期間は、原則「離職日翌日より1年間」です。1年間の期間内に所定の給付日数分の失業保険を受け取る必要があるため、注意しましょう。
失業保険をもらうときの注意点

失業保険を受給する際の注意点は、以下のとおりです。
- 求職活動の実績を示す
- アルバイトや副業で働くと支給が停止される場合がある
求職活動の実績を示す
失業保険を受給するためには、失業認定日に求職活動の実績の提示が求められます。以下の活動が求職活動として認められます。
- ハローワークでの職業相談
- オンラインでの求人検索や応募
- 企業説明会や面接への参加
- 職業訓練や資格取得講座の受講
活動したことを証明するものがあれば保管しましょう。活動をした日付や場所、参加した講座や説明会について詳しく記録しておくことが大切です。
アルバイトや副業で働くと支給が停止される場合がある
アルバイトや副業で以下の条件を満たした場合、支給が停止されます。
- 週20時間以上の労働、または31日以上の継続雇用が見込まれる
- 1日4時間以上の労働や、基本手当日額を超える収入を得た
条件を満たした日や期間の失業保険は支給されません。収入がある場合は必ず申告しましょう。申告しないと不正受給とみなされ、返還や罰金などのペナルティが課される可能性があります。失業保険を受給しながらアルバイトをする場合は、収入を適切に管理し申告しましょう。
失業保険のもらい方に関するよくある質問

失業保険のもらい方について、以下のよくある質問をまとめました。
- 失業保険受給中に健康保険や年金の支払いは必要?
- 退職理由を自己都合から会社都合にできる?
- 失業保険の所定給付日数を残して就職したらどうなる?
失業保険受給中に健康保険や年金の支払いは必要?
失業保険受給中も健康保険と年金の支払いは必要です。しかし、収入がない状況を考慮した制度があります。国民健康保険では、収入がない場合に保険料の減免制度を利用できる可能性があります。国民年金保険も失業保険受給中は「特例免除」の制度が適用されると、保険料の免除が可能です。
特定受給資格者や特定理由離職者に認定された場合は、国民健康保険料の軽減措置が適用されます。いずれも、制度が適用されるかは個別のケースによるため、相談窓口に相談しましょう。国民健康保険は自治体の国民健康保険窓口で、国民年金保険は年金事務所または市区町村の国民年金窓口で相談ができます。
退職後の経済的負担を軽減する制度のため、活用しましょう。
退職理由を自己都合から会社都合にできる?

退職理由を、退職者の意志で自己都合から会社都合に変更できません。退職届や離職票に記載された内容にもとづき、ハローワークが判断するためです。会社都合になる可能性があるのは、以下の場合です。
- 退職勧奨や退職強要
- パワハラなどの不当な扱い
- 労働条件の大幅な変更
会社都合への変更を主張する場合、変更が必要な理由があった旨の証拠が必要になります。メールのやり取りや会話の録音など、客観的な証拠を用意できると有利です。退職理由の変更を検討する場合は、労働基準監督署や労働組合で専門家のアドバイスを受けましょう。虚偽の申告は罰則の対象になるため、注意が必要です。
正当な理由があれば、自己都合でも給付制限がない場合もあります。会社と交渉して合意退職に変更できる可能性もありますが、一度記載した内容の変更は困難です。退職時の手続きは慎重に行いましょう。
失業保険の所定給付日数を残して就職したらどうなる?
失業保険の所定給付日数を残して就職した場合、再就職手当を受け取れる可能性があります。再就職手当は、新しい仕事を早く見つけた人へのお祝い金のようなものです。早期の再就職を促す制度であり、再就職までの期間が短いほど手当が多くなります。
再就職手当を受け取るための条件は、以下のとおりです。
- 失業保険の給付日数の残りが3分の1以上ある
- 前職の会社とつながりのない再就職先である
- 再就職先で1年以上働ける見込みがある
- 過去3年以内に同様の手当を受けていない
- 受給資格決定前に再就職先が内定していない
- 再就職手当の支給決定日までに離職しない
再就職先の雇用形態や給与は問いません。自営業を始めた場合も対象です。再就職手当は非課税所得として扱われるため、税金の心配はありません。再就職した日から1か月以内に申請を行いましょう。再就職手当を受け取ると、残りの失業保険は受け取れません。
再就職で賃金が下がった場合、就業促進定着手当を受け取れることがあります。状況に応じて、申請しましょう。
まとめ

離職後の生活を支える制度である失業保険の受給手続きや条件、注意点について解説しました。制度の目的や手続きの流れを理解し、必要書類を準備して臨みましょう。受給条件や金額、期間は個人の状況によって異なるため、ハローワークで詳しい説明を受けることがおすすめです。
求職活動中に収入がある場合は、適切に申告をしなければなりません。求職中の負担軽減のため、健康保険や年金の軽減措置があるため、適切に活用しましょう。早めに再就職が決まった場合は、再就職手当の申請も忘れずに行ってください。失業保険制度を正しく利用して、次の就職に前向きに取り組みましょう。
» 転職活動のスムーズな進め方

