職務経歴書は、転職成功の鍵を握る大切な書類です。しかし、多くの人がどのように職務経歴書を作成するべきか悩んでいるのも事実です。この記事では、職務経歴書のフォーマットと、項目別、職種別の作成方法について詳しく解説します。
記事を読むと、職務経歴書作成のコツを掴み、自信を持って転職活動に臨めます。不安をなくし、転職活動を成功させたい方は参考にしてください。
職務経歴書とは
職務経歴書について、次の2点を解説します。
- 職務経歴書と履歴書の違い
- 職務経歴書が重要な理由
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書と履歴書は、就職や転職の際に作成する書類です。職務経歴書は、これまでの職歴における業務内容や成果、スキルなどを詳しく記載します。職務経歴書を通して応募先企業に、自分の専門性や経験をアピールできます。
一方で履歴書は基本情報や学歴、職歴を簡潔にまとめた文書です。履歴書には一般的なフォーマットがあり、個人情報を最低限に抑えて記載します。
» 基本的な履歴書の書き方とマナー
職務経歴書が重要な理由
職務経歴書は、自分のキャリアを示すために大切な書類です。企業は職務経歴書を通じて職歴や成果を理解し、採用するかを決定します。職務経歴書に自分が取り組んだプロジェクトの詳細を記載することで、業務成果を示せます。
職務経歴書は面接における参考資料にもなるため、自己PRする際にも大切な書類です。職務経歴書を丁寧に作成することで、自身の能力を効果的にアピールできます。
【項目別】職務経歴書の書き方
職務経歴書の書き方について、以下の項目ごとに解説します。
- タイトル・氏名・日付
- 職務要約
- 勤務中の企業
- 職務内容
- 活かせる経験・スキル
- 資格・免許
- 自己PR
タイトル・氏名・日付
職務経歴書の書き方では、タイトルや氏名、日付を記載するのが基本です。タイトルは「職務経歴書」とするのが一般的ですが、応募先に合わせてタイトルを選ぶこともあります。
氏名については、フルネームをはっきりと記載してください。日付に書類作成日の年月日を明記することで、職務経歴書が最新の情報であることを示せます。
職務要約
職務要約を適切に記載することで、自分の職歴や経験を簡潔に伝えられます。採用担当者に短時間で自分の魅力を伝えることを念頭に置いて、職務要約を記載してください。
職務要約を記載する際は、以下の点を強調することが大切です。
- 主な業務成果
- 会社への貢献度
- 会社での役職
- 業界での専門スキル
明確に示すことで、自分の魅力を効果的に伝えられます。印象に残る職務要約を作成し、面接につなげましょう。
勤務中の企業
勤務中の企業の項目では、現在の勤務先に関する詳細情報を記載してください。
勤務中の企業の項目では、以下の詳細な情報を記載します。
- 企業名
- 所在地
- 業種・業界
- 勤務期間
- 企業規模
- 事業内容や商品・サービス
上記の情報は、どのような職場で勤務しているのかを示します。採用担当者が、自分の具体的な経験やスキルを理解できるように丁寧に記載しましょう。
職務内容
職務経歴書に職務内容を記載する際は、具体的な情報を盛り込むことが大切です。過去の勤務先での実際の業務やプロジェクトについて、明確に説明してください。明確に説明することで、自分の経験とスキルを採用担当者に効果的に伝えられます。
職務内容には、以下の点を詳細に記載してください。
- 担当したプロジェクトの概要
- 使用した技術やツール
- 達成した成果と具体的な数値
- チーム内での役割
- リーダーシップの経験
- 直面した課題と解決策
上記の情報を通じて、どのように応募先の企業に貢献できるかを伝えられます。
活かせる経験・スキル
職務経歴書では、自分が応募先の企業で活かせる経験・スキルを記載してください。
職務経歴書で記載する経験・スキルは、以下のとおりです。
- プロジェクト管理能力
- リーダーシップ経験
- 専門的なツールの使用経験
- 問題解決能力
- 業界知識と実務経験
上記の経験・スキルは、業務運営やチーム内のコミュニケーション向上に役立ちます。自分のスキルレベルが高いと、採用担当者の興味を引けます。
資格・免許
職務経歴書の書き方において、資格や免許は専門性を示すのに大切な要素です。
資格・免許を記載する際は、以下の点に注意してください。
- 資格や免許の正式名称を記入する
- 取得年月日を正確に書く
- 現在の職務との関連性を示す
- 職種に関わる重要な資格を強調する
IT技術者なら「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」が技術力の証明になります。医療関係の仕事なら、「看護師免許」や「薬剤師免許」などの専門資格を強調してください。資格取得の過程で得られた、努力や学びについても触れると効果的です。
努力や学びについて言及することで、知識やスキルをどう活かしたのかを伝えられます。資格・免許を明記すると、自己PRでの説得力が増します。応募先企業の職務内容に関連する資格・免許を記載して、面接につなげましょう。
自己PR
自己PRは、職務経歴書の中で最も効果的にアピールできる部分です。自己PRでは強みやスキルを具体的に示し、どのように貢献できるかを伝えることが大切です。採用担当者は多くの応募書類を短時間で確認します。具体的なエピソードを交えることで自己PRに説得力が生まれ、採用担当者の記憶に残りやすくなります。
自己PRを記載する際は、下記の点を念頭に置いてください。
- 結論を明確に示す
- 具体的な実績や数字を用いる
- 応募先が求める能力とスキルを結びつける
自己PRでは具体例を交えながら強みを明確に示し、採用担当者に強い印象を残しましょう。
» 強みや実績をアピールできる自己PRの効果的な書き方
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職務経歴書のフォーマット
職務経歴書のフォーマットとして、以下の3点を解説します。
- 編年体形式
- 逆編年体形式
- キャリア形式
編年体形式
職務経歴書を作成する際、最も一般的な形式が編年体形式です。編年体形式では、職歴を時系列順に並べます。最も古い職歴から書き始めて、現在の職歴へと順に記載します。
各職歴の記載には、以下の情報を含めて記載してください。
- 企業名
- 勤務期間
- 職位
- 主な職務内容
直近の職歴では、具体的な成果や貢献を詳しく記載し、自身のスキルや経験をアピールしましょう。キャリアが長い場合は、初期の職歴を簡潔にまとめ、直近の職歴に多くのスペースを割くのが効果的です。編年体形式を用いると、自分のキャリアの全体像をわかりやすく伝えられます。
採用担当者にとっても、職歴の流れを理解しやすいメリットがあります。
逆編年体形式
逆編年体形式は、最新の職務経験から順に記載していく書き方です。逆編年体形式で記載すると、自分の直近の成果が一目でわかります。
逆編年体形式で記載する際は、以下の点に注意してください。
- 現在の職歴から記載する
- 各職務経験の期間を明記する
- 成果や担当プロジェクトを詳しく説明する
- 可能な限り数値や具体例を使う
逆編年体形式で記載することで、直近の職務経験を確実に伝えられます。直近の成果をアピールしたい場合は、逆編年体形式での記載をおすすめします。
キャリア形式
キャリア形式は職歴をスキルや業績を中心にして、詳しく記載する方法です。キャリア形式は、自分の強みやスキルを強調したい場合におすすめです。
キャリア形式で記載すると、以下のメリットがあります。
- 成果を出したプロジェクトを強調できる
- 身につけたスキルを強調できる
- 達成した成果をわかりやすく説明できる
- 関連性の高い経験やスキルを強調できる
キャリア形式を使うと、採用担当者に自分のスキルをはっきりと伝えられます。キャリアの一貫性を保ちながら、成果を強調することも可能です。キャリア形式は、さまざまな職種を経験している人や、専門スキルを持っている人におすすめです。
【職種別】職務経歴書の書き方
職務経歴書の書き方について、以下の職種別に解説します。
- 営業職
- IT職
- 技術職
営業職
営業職の職務経歴書作成において最も大切なポイントは、具体的な実績を明示することです。単に業務内容を列挙するのではなく、数字や成果を具体的に記載してください。採用担当者は、業績に強い関心を持っています。実績を具体的に示すことで、自分の能力や業務遂行力を効果的にアピールできます。
営業職で具体的に書くべき実績は、下記のとおりです。
- 年間売上目標の達成率
- 新規顧客獲得数と売上増加率
- 既存顧客のリピート率向上
具体的な実績を示し、自分の能力と成果を明確に伝えることが大切です。自分の魅力をアピールし、採用担当者に強い印象を与えましょう。
IT職
IT職の職務経歴書の書き方においては、技術力と経験をアピールすることが大切です。具体的なスキルや実績を詳細に記載し、自身の強みをアピールしてください。
以下の点に注目して作成すると、説得力のある職務経歴書に仕上がります。
- スキルの詳細な記載
- プロジェクト経験の具体的な説明
- チーム内での役割と貢献度
- コミュニケーション能力のアピール
- 継続的な学習姿勢
- 関連資格の明記
スキルについては、使用したプログラミング言語やツール、フレームワークを明記します。プロジェクト経験では、規模や期間、役割を詳しく説明し、具体的な成果を強調してください。他部門やクライアントとの協業経験を記載すると、コミュニケーション能力もアピールできます。
IT業界の急速な変化に対応するため、継続的に学習していることを示すと、採用担当者の印象に残ります。CiscoのCCNAなど、業界で認められている資格や認定などを記載して、自分の専門性を裏付けましょう。
技術職
技術職の職務経歴書の書き方においては、具体的な経験とスキルのアピールが大切です。職務経歴書を作成する際は、プロジェクト経験やスキル、成果の詳細を記載してください。
職務経歴書を作成する際に記載すべき事項は、以下のとおりです。
- 具体的なプロジェクト内容と役割
- チーム内で貢献した具体例
- 直面した課題とその解決方法
- 継続的な学習意欲
- 新しい技術の習得経験
技術的な資格・免許を記載すると、自分の能力を明確に伝えられます。業務効率化を行った改善例も記載できると、採用担当者の目にとまります。専門知識を活かした成果を強調することで、自分の高い能力を示しましょう。
職務経歴書のよくある質問
職務経歴書の書き方についてよくある質問として、以下の3つを解説します。
- 職務経歴書はどれくらい書くべき?
- 職歴に空白がある場合はどうすればいい?
- 短期間の職歴がある場合はどのように書けばいい?
職務経歴書はどれくらい書くべき?
職務経歴書は通常1~2ページで作成します。内容の質が重要で、応募先企業に関連する情報を簡潔に記載してください。直近の経験を中心に記載し、古い経験は簡潔にまとめるのが効果的です。職務内容では、成果や貢献を具体的な数字や事例で示すことが大切です。
スキルや成果を明確に示すことで、応募先企業が求める能力を効果的にアピールしましょう。
職歴に空白がある場合はどうすればいい?
空白期間があると、採用担当者に疑問を持たれてしまうのは事実です。しかし、空白期間に何をしていたのかを正直に説明することで、採用担当者の疑問を解消できます。
空白期間がある場合は、以下の点に注意して職務経歴書を作成してください。
- 空白期間の活動を具体的に示す
- 習得したスキルや資格を強調する
- 職務経歴書のフォーマットを工夫する
- カバーレターで空白期間の補足説明をする
キャリア形式で記載すると、時系列よりも能力にフォーカスして職務経歴書を作成できます。空白期間が目立たない職務経歴書を作成し、自身の強みをアピールしましょう。
短期間の職歴がある場合はどのように書けばいい?
短期間の職歴であっても、正直に記載することが大切です。短期間の職務で得た経験や学んだことを書き、どのように貢献したかを明記してください。短期間の経験でも、応募先企業でどう活かせるかを説明することで、前向きな印象を与えられます。
短期間の職歴を学びの機会として伝えることで、ポジティブな印象を与えましょう。
まとめ
職務経歴書は、就職活動において大切な書類です。職務経歴書の書き方は履歴書と異なり、自分の職歴やスキルを詳細に説明する必要があります。
職務経歴書を作成する際は、以下の4つを明記してください。
- 氏名や連絡先などの基本情報
- 過去の職歴の要約
- 具体的な実績
- スキルと資格
職務経歴書の形式には編年体や逆編年体、キャリア形式などがあります。自分のキャリアや応募先に応じて、最適な形式を選択してください。職務経歴書で自分の強みを効果的にアピールし、転職活動を成功させましょう。
» 転職活動のスムーズな進め方