退職後に必要な手続きを解説【健康保険・年金・税金の手続きガイド】 

退職後の手続きが不安な人は多くいます。退職後の手続きは、健康保険や年金、税金関係など必要なものが多いため、しっかり理解しなければなりません。手続きごとに申請期間や必要書類が異なるため注意しましょう。本記事では、退職後に必要な手続きの流れや、受け取るべき書類、手続き方法を詳しく解説します。

記事を読むと、退職後の手続きをスムーズに進められるため必見です。退職後の手続きを1つずつ確実に行うと、安心して次のステップへ進めます。

退職する際に必要な手続きの全体の流れ

退職する際に必要な手続きの全体の流れは、以下のとおりです。

住民票の異動がある場合は、役所で住民登録を変更します。健康保険証も必要に応じて取得しましょう。

退職後に受け取るべき書類

退職後に受け取るべき書類は、以下のとおりです。

必要な書類をしっかり受け取ると、退職後の生活に不便が生じません。

離職票

離職票は、退職後にハローワークで失業保険を申請する際に必要な書類です。以前の勤務先から提供されます。離職票には、退職者の個人情報や勤務期間、離職の理由が記載されているのが特徴です。離職理由は「自己都合」か「会社都合」により、受給条件が異なります。

源泉徴収票

源泉徴収票には、1年間の所得と差し引かれた税金が記載されています。確定申告時に、前年の所得税額を計算する際に必要です。退職する際は、源泉徴収票を以前の勤務先から受け取りましょう。新しい職場では、源泉徴収票を提出する必要があります。

退職後の健康保険の手続き

退職後の健康保険の手続きを、以下の3点に分けて解説します。

退職後、健康保険の手続きは速やかに行います。必要な書類を事前に準備し、手続きに必要な期限を守りましょう。適切な手続きを行うと、退職後も安心して医療サービスを受けられます。

国民健康保険

退職によって勤務先の健康保険から離れる際は、国民健康保険への加入が必要です。手続きは市区町村役所で行います。退職後、14日以内に申請を済ませるのがおすすめです。保険金額は、前年の収入にもとづいて計算されます。

任意継続保険

任意継続保険は、退職後も以前加入していた健康保険組合に、引き続き加入できる制度です。最長2年間加入し続けられます。任意継続保険を利用すると、退職後も、退職前と同じレベルの医療サービスを受けられます。加入希望者は、退職日から20日以内に申し込みましょう。保険料は全額自己負担です。

自己負担なため、医療費が高額になる場合があります。退職して新たな職場が決まるまでの間に、安定した医療サービスを受け続けたい場合に役立ちます。再就職までの期間が不明確な場合は、任意継続保険への加入がおすすめです。

配偶者や家族の健康保険に加入

退職後に、配偶者や家族の健康保険に加入する選択肢があります。配偶者が会社員や公務員などで、健康保険組合に加入している場合、扶養家族として加入できます。配偶者や家族の健康保険に加入すると、医療費の自己負担額を抑えられるのがメリットです。

手続きは配偶者の勤務先や健康保険組合で行います。手続き完了後、新しい健康保険証が発行され、医療機関での自己負担が配偶者の保険と同じ条件で行えます。国民健康保険から移行する場合は、以前の保険の手続きも忘れずに行いましょう。

退職後の年金の手続き

退職後の年金の手続きを、以下の2点に分けて解説します。

年金の手続きを適切に行うことで、安心して新しい生活のスタートを切ることができます。

国民年金への加入

退職後は、国民年金への加入手続きが必要です。日本に住む、20～60歳までのすべての人が対象です。厚生年金から離脱した後は、自動的に国民年金の第1号被保険者に切り替わります。所得が低い場合は減免や免除制度が利用できます。

厚生年金から国民年金への切り替え

厚生年金から国民年金への切り替えは、市区町村の役場での手続きが必要です。日本年金機構の窓口または、オンラインでも手続きできます。身分証明書や、厚生年金から離脱したことを証明する書類を事前に準備しましょう。国民年金の保険料は、自分で納付します。納付方法は、納付書での納付や口座振替から選びます。

退職後の税金の手続き

退職後の税金の手続きは、引き続き正確な税務申告を行うために重要です。退職後の税金の手続きを、以下の2点に分けて解説します。

適切な手続きを行うと、税金の過不足を防げます。

住民税

住民税は、前年の所得をもとに計算され、翌年の6月～翌々年の5月まで支払う税金です。退職後は、住民税の申告が必要になる場合があります。引っ越す場合は新住所で住民登録を行い、前住所の住民税を精算しましょう。

無職期間が長くなる場合は、自分で住民税を納付する「普通徴収」を選択可能です。手続きを適切に行うと、税金の支払い忘れや二重払いを防げます。

所得税

所得税は、個人の年間の総収入にもとづいて計算される国税です。退職後の所得には、退職金や未給与収入が含まれる場合があります。所得を正しく申告しなければ、必要以上の税金を支払う可能性があります。退職後は、以前の職場から源泉徴収票を受け取りましょう。

源泉徴収票の情報をもとにして、確定申告を行います。確定申告は、自分の収入や控除、税額を計算して国に報告し、納税額を精算する手続きです。退職後に収入が減った場合、払い過ぎた税金が還付されることがあります。確定申告の期間は、毎年2月16日～3月15日です。

退職後の失業保険の手続き

退職後の失業保険の手続きに関する、以下の4点を解説します。

適切な手続きを行うと、退職後の経済的なサポートを確実に受けられます。

失業保険の受給条件

失業保険を受給するには、雇用保険に加入していた期間が、継続して12か月以上でなければなりません。離職の原因が、自己都合退職や会社都合退職など、保険給付の受給資格がある理由であるのも条件です。離職後は、速やかにハローワークで失業の申告を行いましょう。

失業保険の必要書類

失業保険を受給する際に必要な書類は、以下のとおりです。

忘れることがないように、事前に準備できるものは用意しておきましょう。

ハローワークでの手続き方法

ハローワークでの手続き方法は、以下を参考にしてください。

失業保険の手続き完了後、指定された日にハローワークを再訪し、受給資格確認通知書を受け取りましょう。定期的にハローワークを訪れると、職業紹介や再就職のためのサポートを受けられます。ハローワークを活用して、再就職活動を進めましょう。

失業保険受給中に気を付けるべきこと

失業保険を受給中は、失業保険の受給資格期間をハローワークで確認しましょう。余計なトラブルを避け、手続きをスムーズに進められます。定期的にハローワークを訪れ、求職活動の報告を行うのも重要です。求職活動の報告は、受給資格を維持するために必要で、活動状況に応じた適切なサポートを受けるのに役立ちます。

受給中にアルバイトやパートの仕事をする場合は、ハローワークに報告しましょう。適切な手続きを行うと、失業保険の受給に及ぶリスクを避けられます。

退職後の生活変化における注意点と対策

退職後の生活変化における注意点と対策に関する、以下の2点を解説します。

注意点と対策を意識することで、環境が変化しても心身ともに健康に過ごせます。

新生活への心構えと必要な準備

新生活を前向きにスタートするために、適切な心構えと準備が大切です。新しい環境への適応は、身体的および精神的な健康の維持から始めましょう。日常生活に適度な運動を取り入れると、ストレスを軽減し、心身の調子を整えられます。積極的に外に出て、孤独感を防ぎ、新たな人間関係を築くのも重要です。

必要に応じてカウンセリングを利用するのも良いでしょう。

退職後の精神的な健康管理

退職後の計画を、事前にしっかりと立てるのは重要です。仕事を辞めると日常生活が大きく変わり、精神的な不安を感じる場合があります。精神的な不安を取り除くために、生活のリズムを取り戻すのが大切です。日常生活にルーティンを作り、規則正しい生活を心がけましょう。

退職後の生活において、健康的な生活習慣を維持し、心の充実を図るのが精神的な健康管理には必要です。

まとめ

退職後に必要な手続きは、以下のとおりです。

次の職場が決まっていない場合は、国民健康保険か任意継続保険を利用するか選択します。配偶者や家族の健康保険に加入する選択肢もあるため、よく検討しましょう。退職の際は、自動的に国民年金へ切り替わるため、注意が必要です。一つひとつのステップを正しく理解し、適切に行いましょう。